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2010年04月02日

大工を育てる躍進企業 「平成建設」

 建設業界は、脱談合による秩序崩壊リーマンショックによる市場縮小の顕在化、民主党政権による脱箱物政策等、この数年のうちに市場規模が半減するという状況に置かれており、供給過剰の建設業者が今後数多く倒産すると言われています。
 そのような中にあって、「急成長」している建設業者があるそうです。その名は「平成建設」。平成元年に設立し、まだ企業としては若い会社です。
 るいネットにその会社が紹介されていました。時代潮流、意識潮流にもマッチした、今後の有望企業のようです。

一寸面白そうな会社 北村浩司( 壮年 滋賀 広報 )
静岡県沼津に本社がある、「平成建設」(リンク)という会社が、この不況下で急成長しているらしい。事業の中心は建売住宅で、平成元年に設立されたことから平成建設と命名された、まだ比較的若い会社である。
この会社で注目されるのは、事業コンセプト=大卒の大工を育てるというところにある。もともとこの会社の社長(秋元氏)は、祖父・父親とも大工の棟梁を務めていた。そこで抱いた危機感が、「このままでは日本から大工がいなくなる」ということであった。実際’85年には80万人いた大工が’05年には53万人と急減している。しかも高齢化が進み、50代以上に大幅に大工の構成が偏っているというのが現状である。
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「大工は頭が良くないとできない、しかし日本では頭がいい奴はみんな大学に行ってしまう。」そこで秋元氏は、通常は全て施工会社の請け負いの業態であり、徒弟制度の中で育てられる大工を全て正社員化し、社内で大工を育てるというシステムを作ったようだ。同社では創立当初からこのシステムを採用していたようだが、10年前から全国規模の募集を始めたという。
このシステムを作ることによって、同社は、顧客の建売の注文の中身に密着して応え、質を保証することで営業的な武器を形成している。
この会社のもう一つの注目点は、社内人事である。部署のリーダーは全て投票で選ばれ、リーダーがサブリーダーを指名する。あるいは、人事評価に上からの評価だけではなく、部下からの評価、他部門からの評価(例えば大工部門)を加え、それを賞与などの評価に反映させている点である。
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以上、起業の理由に志的なところがある点、下から横からの評価を加味することで、風通しのよさや実力主義を実践しようとしている点が同社の注目される点である。
その上で、別の観点から見れば、この会社は意識潮流の一つとしても注目できる点がある。
それは、大卒生の間で意外なほどに大工希望者が(東大、京大等の有名大学も含め)かなりいるということである。
かつて建築業界では設計士>大工の間の職能ヒエラルキー(私権序列)が明らかにあった。しかし、学生たちの意識の中では、明らかにその序列が崩れ流動化、平準化しつつある。
これはかつて高度成長時代は全く人気のなかった農業希望者が激増してきた流れに並ぶ潮流と思われる。即ち私権上の優位性よりも、目に見える手ごたえを仕事選択の基準とする潮流である。
この潮流は、今後様々な業界において顕在化すると思われる。

「平成建設」ポイントは改めてまとめると、
①社会的意義⇒大工の養成、技術の継承
②顧客満足度⇒「質」を保証する自社育成
③社員活力の上昇⇒風通しのよい透明な評価制度の導入
④若者の意識潮流(私権⇒共認)⇒目に見える手ごたえ

 崩壊する建設業界の中で躍進する「平成建設」が躍進する理由は一言で言うと、
 「時代潮流」にあっている
 と言えるのでは。

 

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