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2008年11月19日

農業が儲からないのはなんで?(1)~現在の状況と原因構造~

こんにちは、はしひろです Smile

マネー経済の崩壊→実体経済へと転換する社会潮流の中で、次第に「本当にみんなが必要とするものは何か?」と産業の見直しが求められるでしょう。


将来、経済は不況になっていくことは明らかであり、自国の食糧自給率を増加させるために「農業」の再生は必要不可欠となり、日本の「農業」という生産活動について分析することが重要となります。


そこで今回は、現在の農業のフレームについて考えたいと思います。


ところで、「農業」という生産活動についてどのようなイメージを持ちますか m052


「必要だと感じているけれど、農業だけでは生計がなりたたない、儲からない仕事だ」


という意識を持っている人も少なくないのではないでしょうか?

実際、農業生産者の利益は少なく、辞める人も多いのが現状です。


ではどのような問題があり、なぜ儲からないのか?
「農業」を再生するにはどうすればよいか?

2回にわたって農業について分析と今後の可能性について追及します m051

1回目 農業が儲からないのはなんで?
2回目 農業を活性化させるにはどうする?


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■農作物の価格が低い原因① ~幻想価値が価格格差を生み出す~                 


まず、世の中のもので、価格の高低はどのようにして決定されているのでしょうか m052

モノの価格は、みんなが認めることによって、そして、需要と供給のバランスによって決定されます。

希少性のあるもの = ブランド    → 価格△

日常的なもの   = コモディティ  → 価格はあまり上がらない

大きく上記のように価格決定され、大根やニンジン、米などの日常品の価格格差は、おおよそみんなに認められているため、価格は低くほとんど上がりません。
キャビアやフカヒレ、ワインなどの希少性のあるものは、幻想価値によって価格はいくらでもつり上がるので、価格格差は大きくなります。


一般的に農作物は、人々の生活に密着した日常的なものなので、価格は上がらない、という構造にあります。
  
  
  
■農作物の価格が低い原因② ~貧困の消滅が食の価格下落を加速させた~            


次に少し過去に遡り、人々の「食」に対する意識の変化を見てみましょう。


戦後貧しかった日本も、70年代になれば、国民のほとんどが食べることに困らなくなり、貧困を克服しました。「食べなければ生きていけない」という生存圧力は低下し、それとともに「食」に対する意識も低下しました。


生存欲求に対する人々の欠乏は充たされ、「安く満腹になればよい」という意識へと向かい、その意識の変化にともない大量に食品を販売するスーパーなどが生まれ、食品価格の下落を招きました。


その一方で、生存欲求とは相反するように、「みんなと認め合いたい」という欠乏(共認欠乏)が生起し、例えば、
・家族団らんで過ごしたい
・携帯でみんなとつながっていたい


などが挙げられますが、これらは、都市に居住→家賃△に加え、交際費や教育費、雑費が増加しました。この流れも結果的に「食費」を削るという流れをさらに加速させたのです。
  
  
  
■農作物の価格が低い原因③ ~供給までのマージンとロスが多いという構造~          

次に、農業の生産から手に届く消費までの流れを見てみましょう。

・生産者と消費者の間に卸売りや小売店が入る。

 →中継することで、様々なコストが増大している →  中間マージン△
                                  (運送費、人件費など)

・外食産業の増加・拡大
 →いつでも、何でも食べられるストック     →  ロス△

スーパーなどの小売店や、外食産業は客をなんとか確保しようと価格競争が激化、しのぎを削っています。その一方で、流通で中間マージンが無駄に加算されている、大量の食品が無駄に廃棄されているという問題もあります。


そのしわよせがどこに来ているかというと、生産コストを低下しなければならないという圧力がかかる「農業生産者」なのです。
  
  
  
■まとめ                                                       

以上のように、時代背景や食品の流通過程を分析すると、

m121 農作物は日常的なものなので、価格は安価であること。

m122 貧困の克服により、人々の「食べること」への意識が低下したこと
  →家計は、家賃△、教育費△、雑費△
  →食費▼

m123 流通でマージンが無駄に加算されている
  大量の食品が無駄に廃棄されている
  →農業生産者の利益▼

という、大きな原因と構造があることが分かります。


私たちに必要不可欠な「農」。

「利益第一」という市場の構造によって、いつの間にか「農業」が大変なことになってしまっているのです。


みんなに必要とされる「農業」の実現基盤を作るにはどうしたらいいのでしょうか m052 m052


今後の可能性と展望は次回に続きます m051


最後まで読んでくれてありがとうございます Smile

コメント

「農」と生活がもっと身近だった頃は、まとめの1~3のことなんて考えてもいなかったですよね。。。
作っている人の顔が見える、だからありがたく食べたし、もちろんマージンなんて余計なものなんて発生しなかった。
絶対に必要なものだからこそ、次回の「今後の可能性と展望」を楽しみにしています♪

  • ヨウチ 2008年11月20日 22:39

中間マージンについて下記のような投稿がありました。

「日本の家計消費支出と、食料価格の基本」春風さん(リンク)
「★流通構造の図解」(リンク)
-------------------------------------------
(1)輸入原料の場合:
食料品価格=原材料の原産地価格+運賃(海上または航空)+保険料+輸入諸掛り+国内流通経費(運賃+倉庫保管料+諸経費+マージン)+加工費(加工賃(人件費)+燃料・光熱水料+包装資材費+保管料諸経費+マージン)+〔小売段階のコスト+マージン〕

(2)国内原料の場合:
食料品価格=原材料の国内産地価格(生産・収穫に要する労働費+飼料費+肥料費+燃料・光熱水料等ほ場・牧場管理に係る諸経費+マージン)+国内流通経費(運賃+倉庫保管料+諸経費+マージン)+加工費(加工賃(人件費)+燃料・光熱水料+包装資材費+保管料等諸経費+マージン)+〔小売段階のコスト+マージン〕
-------------------------------------------

 たしかにこれだけコストがかかると食卓に届く購買価格と、生産者の出荷価格の差額は相当、大きくなりますね。さらに、末端の小売店(スーパー)からの安売り圧力もかかってきます。今後、農業を事業として継続していくためには、「コスト(=経費、ロス分も含む)」+「マージン(=利益)」をどうおさえるかが重要ということがわかります。

  • systema 2008年11月21日 12:09

客観的な視点からのまとめで、「なるほど・・・」と思いました。生産に携わると、つい内側にばかり意識が向かい突破口を見出しずらくなってました。次回を期待しております。

  • take 2009年01月15日 11:03

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